ラーメン屋の大盛り
ラーメン屋で大盛りを頼むと、多くの店で100円や150円くらい追加料金がかかる。
ところが、中には無料提供て店もある。
たかだか100円、原価にしたらたいしてかかってないでしょ。
と思いがちだが、そんなに単純なものでもない。
気がする。
例えば、ラーメン屋というのは回転が早く、席数が少なくても時間内に収容できるお客様の数は比較的多い。
仮に、オーダーから提供、食事が終わって片付けるまでを20分としよう。
とすれば、60分の間に1席あたり3人となる。
10席なら、60分で30人。1杯800円とすれば、24000円の売り上げ。
毎日12時間営業して、絶えずお客様が出入りするとすれば、288000円となる。
さて、大盛りに話を戻そう。
大盛りにした場合、当然ながら食べるのに時間がかかる。すべての人が同様ではないが、平均して5分延びたとしよう。
5分伸びるとその分席を占有されるわけなので機会損失だ。
これを計算すると、3人のお客様から売り上げを立てるには、75分必要な計算になる。
12時間営業に直した場合、20分なら36人だが25分だと28.8人である。
小数点以下という数字は当てはめられないので、ばっさりと切り捨てる。
36*800=28800だが、28*800=22400となる。すなわち、1席あたり6400円の損失となる。
そこで、大盛りに100円の追加料金を取るわけだが、埋められるのは2800円であって、まだ3600円足りない。
これが、すべての座席で大盛りになると、36000円にもなる。
という事は、大盛りになるというのは回転率を下げる事であり、その回転率の低下がもたらす機会損失は高額にもなる。
もちろん、経営する側はわかっている話なので、そもそもそんなギリギリの計算はしていないだろう。しかも、12時間絶え間なくお客様が入るとは考えていない。
逆に言えば、ピークタイムは限られている訳で、もっと短い3~4時間の間にそれが起きている可能性は否定もできない。
という訳で、大盛り無料の店はそもそも並盛りで十分な利益率が取れていて、大盛りにされてもまぁ、普通。
というモノなのだと思うが、仮に大盛り100円であったとしても、そこに費やされるものは100円ではない。
中には、そもそも大盛りをやらない。という店もある。こう計算すると仕方ない気もするが、大盛りがある店の方が嬉しい。